【回想のシャーロック・ホームズ】コナン・ドイル 阿部知二訳 創元推理文庫 ★★★★
2005.7.25 シャーロック・ホームズもの
御手洗潔ものの持つ雰囲気がどうもシャーロック・ホームズ譚のそれに似ているような気がして、それを確かめるべくインターバルを短めにして再びホームズ譚を読んでみた。結果、ううむ、とぼけた味という共通点はあるけれど、実際のところ良く分からずじまい。
収録11篇の内、特に中盤にホームズの推理が殆ど関係ない作品が幾つかみられ、何だかゴルゴ13を連想させ、興醒めなものもあった。事件とホームズの推理が並走する作品に面白いものが多いと思う。その一つ、末尾の「最後の事件」でホームズは生死不明となり、ホームズ譚は一旦終了してしまった(と解説にあった)のにはびっくりした。そして「竜馬がゆく」で竜馬が散る場面(この場面以外はもうさっぱり覚えていない)にも似た不意の寂寞に襲われてしまい……。
一方、ワトソンがどんどん賢くなっていたりする。