【よもつひらさか往還】倉橋由美子 講談社文庫 ★★★ 2005.7.27
倉橋由美子初読み。幻想系の連作掌編集という風。漢詩や俳句、ギリシア神話などがしばしば引用され、またほぼ全ての掌編で官能的な場面をもつ大人のうそばなし。カクテルに詳しいとより楽しめるかもしれない(私はカクテルに疎い)。
連作的な趣向(過去を引きずる感もその一つ)が凝っており、ただでさえ一つ一つが短いのについつい先読みを急いでしまう。
冬が多過ぎたかもしれず、季節を満遍なく配置して欲しかったような気もしたけれど、やはり幻想的な雰囲気に夏は合わないようである。日差しが燦燦とし過ぎて開けっぴろげになるからだろう。
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夜中に目が覚めてしまった。今からまた寝る。