【ポオ小説全集1】エドガー・アラン・ポオ 阿部知二他訳 創元推理文庫 ★★★ 2005.12.10
新潮文庫の3冊を読み終わって後、やっぱり選集(ベスト盤)という形態が嫌で(一通り読んだとは言えない感じが居心地悪い)、自然こちらの小説全集に手を出すことになった。その1冊目。
全般にユーモア色が強く、取り澄ました顔してしっかり惚(とぼ)けた大ほら話が多い。もっと陰鬱闇黒でかつヒステリックに攻めてくると思ったけれど、それらはこの巻以降で見られるのかもしれない。それと、風刺と自虐が効いていて、大抵のエピグラフはその作品に対する容赦ない突っ込みにもなっている。というわけで、自己完結していて容喙し辛い印象。
鴉の黒が時々出てくる。今後も注目。