yh氏の日記

主に買った本を、メモがてら、ずらずら書いていきます。他に言葉集めなど。過去記事鋭意編集作業中。

野ざらし百鬼行

【野ざらし百鬼行】赤江瀑 文春文庫 ★★★★ 2005.12.20 絶版

 

 そろそろ赤江瀑作品に慣れてきてしまったのか、あまり味わい深く堪能できなかった一冊となってしまった。全体としてうねりがゆるく、里山を散策するような感覚。危険箇所や陥穽も少ない。

 赤江瀑作品を読むことに決めたきっかけは、某所でのチャットで本書を強力に推されたからだった。期待の大きさが仇だったのだろうか。ここらでそろそろ長篇の方を読んでみるのが良いのかもしれない。

 末尾の表題作が出来が突出していると思う。占うことの重みを知れた。本当の占い師がいて、もう一人の本当の占い師が、その人のホシをみたら……。人間の領界を超えてみえ過ぎるのも良し悪し。