yh氏の日記

主に買った本を、メモがてら、ずらずら書いていきます。他に言葉集めなど。過去記事鋭意編集作業中。

今日買った本

■今日買った本。計11107円。

 

a)ヤフオクにて。

1・小沢良吉・作/絵『じんごのはなし』福音館書店 ¥11107/3

2・小沢良吉・作/絵『とこまさのはなし』福音館書店 ¥11107/3

3・小沢良吉・作/絵『むっつりのはなし』福音館書店 ¥11107/3

 

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 a)にて7/27に落札した本が本日届いた。1~3に分けているが、実際は、小沢良吉さく・え『三びきのねこのはなし』/全3冊 分配自由、と書かれた函入のもの。全3冊で、定価1350円。図書館でこの作品を見知ったときは、函は無かったので、函入で販売されていたことを知り嬉しい驚き。1975年発行。

 1:三びきのねこのはなし1。下町の三軒長屋に、三びきのねこが住んでいて、その右はしの家に住んでいたのが、「細工人(さいくにん)」のじんご。仕事が丁寧だが、凝り過ぎなところが玉に瑕。鼠取りの制作を頼まれて、使用者の手間を考慮しない非実用的な鼠取りを作ってきたりした。久しぶりに、鼠取りの制作依頼があり、鼠の結婚式場型の一網打尽を狙った鼠取りを開発するも、鼠の結婚披露宴の呼ばれて浮かれすぎたじんご自身が、自分で拵えた罠にはまってしまう笑い話。舞台は江戸時代風、登場人物(動物?)の着物や小道具が凝っているなあ。タイトル文字も、(ちょっと調べたのだけど)江戸文字というのか、配慮されたものがあって、実に良い。

 2:三びきのねこのはなし2。下町の三軒長屋の住むねこたちのうち、真ん中に住んでいる床屋のとこまさの話。仕事そっちのけで花を育てるのが好きで、朝顔のつるのことを考えながら、客の源さんのひげをあたっていたら、つるのようにぐるぐる巻きのひげに仕上げてしまう。その日は、夏祭りで、夕刻よりひげのじまん大会があり、飛び入りの源さんが、その奇抜なひげで、特別賞を受賞する。滑稽な落語のノリで、1の「じんごのはなし」よりも、すっきりした笑いを味わえた。

 3:三びきのねこのはなし3。三軒長屋の左端に住むむっつり(この名はとこまさが勝手につけたあだ名)に関する、人情噺。むっつりは、酒浸りだし、寡黙で、じんごもとこまさも話したことがない人物。あるとき向こうの横町のとら吉が発熱したおふくろさんを助けてくれと三軒長屋に駆け込んでくる。じんごととこまさが医者を探しに行く間、むっつりにとら吉のおふくろさんのそばに付いておくよう彼らに頼まれる。おっかさんはじんごととこまさが帰ってきたときには、おふくろさんの症状が和らいでいて、じつはむっつりが医者だったことが判明。むっつりの語りで、医者でありながら妻子を肺炎に気づかず失くした悲しい過去を持ち、それが半年前三軒長屋に越してきて以来、酒浸りだったことの理由だと明かされる。むっつりが、また、世間との交流を取り戻し始めるだろうという未来を予感させて話は終わる。ずば抜けた凝り性で笑いを誘った前2作を読んでの、この人情味溢れるこの最終話。やっぱり3話セットで楽しみたい作品。