【鹿の幻影】紀田順一郎 創元推理文庫 ★★★ 2005.5.31 現在は「古本街の殺人」に改題
改題から分かるように、古本街神保町で起こる殺人事件。古書マニアが多数登場し、彼らの古書に対する情熱をその言動から読み取るのが面白い。私の場合、それが古書であるというだけで、惹かれてしまうということはなく、その作品が読みたいからこそいっぱしに古い本を探求することもあるが、でも矢張り美しい構造をした豆本などを一度目の当たりにでもすると、古書の世界に恐る恐る手を出してみたくなってしまうのではないかとも思う。