2005-08-11 ヴァージニア 読んだ本 【ヴァージニア】倉橋由美子 新潮文庫 ★★★★ 2005.8.9 理知的なうそばなし。先に読んだ「よもつひらさか往還」と比べると核となる部分にはどちらも理知をはっきりと感じるが、こちらは縁(へり)がすぱあと切れていて、どの話も確然と屹立している。勝手なイメージで言うと、人頭くらいのサイズの水晶鉱の存在感がこの作品のそれにぴたりとくる。 小説や文学のあり方についての言論をよくしたという氏。実作品とのスイングを更に追ってみたいと思う。