yh氏の日記

主に買った本を、メモがてら、ずらずら書いていきます。他に言葉集めなど。過去記事鋭意編集作業中。

今日買った本

■今日買った本。計16080円。

 

a)第10回ブックデイとやまにて。

1・四辻一朗・絵と文『天にのぼったチプ』国土社 ¥500 デフォ

2・小林研三・絵/文『のはらのちいさないえ』かど創房 ¥500 デフォ

3・深沢七郎『千秋楽』新潮文庫 ¥200 高橋麻

4・渡辺茂男・作、永原達也・絵『ヨーゼフのもうじゅうがり』福音館書店 ¥300 SUS

5・まど・みちお・詩、東貞美・絵『おさるがふねをかきました』国土社 ¥400 徒然

6・Ruth Hürlimann『The Mouse with Daisy Hat』William Collins Sons and Co Ltd ¥300 徒然

7・ウィタリー・ワレンチーノウィチ・ビアンキ・原作、小沢良吉・絵、稲垣敏行・文『こえのないおんがくかい』フレーベル館 ¥700 徒然

8・塚本邦雄『星月夜の書』湯川書房 ¥1500 ダンデ

9・バルベー・ドールヴィイ、宮本孝正・訳編『バルベー・ドールヴィイ箴言集 高貴なる人々に贈る言葉』審美社 ¥1000 ダンデ

10・関屋敏隆・作『日本をあるいて絵かきになるんだ』小峰書店 ¥700 空き瓶b

11・アレン・セイ『おじいさんの旅』ほるぷ出版 ¥800 空き瓶b

12・MARY AZARIAN『THE TALES OF JOHN BARLEYCORN or From Barley to Beer』David R. Godine ¥1000 ひらすま

13・Illustrations by TOMIE dePAOLA『The Friendly Beasts an old English Christmas Varol』Methuen Childrens Books ¥500 ひらすま

14・TOMIE dePAOLA『SING, PIERROT, SING a picture book in mime』Harcourt Brace Jovanovich ¥300 ひらすま

15・木島始・作、羽根節子・絵『からすのかんざぶろう』福音館書店 ¥300 ひらすま

16・アネゲルト・フックスフーバー、加藤丈雄訳『かっこう時計のかっこう』京都書院 ¥800 oyoyo

17・ピエール・ブノア、サシャ・ギトリー、高橋邦太郎訳『世界大ロマン全集第40巻 ケーニクスマルクの謎/トランプ譚』東京創元社 ¥1000 半月

18・上林曉、山本善行撰『孤独先生 上林曉傑作小説集』夏葉社 ¥3080 oyoyo

19・蔵冨千鶴子・文、白石実・絵『ぴあのひきとはと』至光社 ¥500 oyoyo

20・神沢利子・文、田畑精一・絵『そりになったブナの木』国土社 ¥300 oyoyo

21・ポール・ゴーブル/ドロシー・ゴーブル・作、大中弥生子訳『オオカミのうた』ほるぷ出版 ¥300 oyoyo

22・菊池日出夫・作『ラッキー』福音館書店 ¥500 oyoyo

23・藤井聡子/清田麻衣子『里山通信 0号』里山社 ¥600 ピストン

 

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 第1回開催から10年経って10周年となるa)へはるばる行ってきた。第4回までは通えていて、その頃はヒトハコ古本市もやっていたのだが、おそらく第5回からプロのみによる古本市に方針変更がなされたように思う。今回は、富山駅の建物の1Fの南北を通り抜けられる自由通路内での開催で、改札を出ようとしたときに改札口の向こうに「古本市」の幟と、その背景に古本の販売棚がばーんとあるのが分かった瞬間に、テンションが爆上がりした。こんなに大きなブックイベントになっていたとは。主催者に尋ねると、過去最大規模での開催だそう。興奮して、棚を見る目が上滑りして大変だったが、まず宿に荷物を預けに行ってから会場に戻ってきて、少し冷静さを取り戻すことができた。13:30からはトークイベントがあり、第1回目でのトークイベントと同じメンバーでのトークが実現。こういうのは企画として思いついても、出演者が簡単に揃うものではないので、奇跡的な回になったと思う。どの出演者も、10年前にやっていた仕事を継続されており、もがきながらも着実にキャリアを積み上げていっており、素晴らしいことだなあと感動した。a)は翌日も開催されたのだが、私は開場前に帰り始めねばならなかった。第2日目に出店される古書店もあり、また、ZINEの製作者からの直接販売があったりしたのだが、それらを拝むことができず残念であった。しかし、限られた時間とはいえ、a)に来ることができて、本当に良かった。交通費や買った書籍代など今回の富山往復で10万円くらい費やした(事前に予約した富山での宿が、高級な宿しか残っていなかったのが大きい)。

 1:

 2:

 3:深沢七郎の長篇小説。これまでに氏の長篇作品は読んだことがない。

 4:ながはらたつや。ヨーゼフという名の、4WD車が日本の街や自然の中で、猛獣狩り気分で走り回って遊ぶ童話。勢い余って、または後先考えずの行動で、ヨーゼフは木と木の間に挟まったり、盛り土の上に乗り上げたり、ウインチで宙ぶらりんになったり、家畜をおどかしたり、あちこちで迷惑をかけつつ、それでも装備改造やオプション付けたり元気よく乗り越えていく。でもそのうち、たくさんの乗り物たちや人々の優しさに助けられる中で、逆に人々の助けになるような行動を起こせるようになる。大らかな物語運びで、社会はこんな風に失敗を許容できるようであって欲しいなと思わせる。数々のヨーゼフの失敗が面白くて、声を出して笑った。

 5:

 6:ソフトカバー。

 7:

 8:

 9:箴言集と散文詩を収める。

 10:型染めによる絵本。

 11:1994年コルデコット賞受賞作。

 12:入手した本だけでは判らないが、どうやら原本ほるぷ世界の絵本というシリーズの第11集のうちの1冊として販売された絵本のようだ。取扱古書店の値札にカバ欠と記載があったが、ほるぷ出版の復刻本のことを考えると、箱欠ではないかと思う。

 13:12と13が同じ古書店が取り扱っていたことから確信を得たが、12と同様のシリーズの1冊として出たものだ。

 14:A Picture Book in Mine、すなわち、パントマイム絵本、ということで、文字無し絵本作品。これは原本ほるぷ世界の絵本シリーズの第12集のうちの1冊として出たようだ。

 15:月刊予約絵本《こどものとも》166号のペラペラ版。ハードカバー版は出ていないようだ。内容は、「ふくろうのそめものや」と同じだが、導入としておばあさんがその孫娘らしきかおるに、どうしてカラスが黒くなったかの話をしてあげる、という風になっている。英題は『The Crow and the Owl』としてある。

 16:巻末の著者紹介を読んで、作者は女性だと知る。

 17:あとがきに赤鉛筆の線引きがある。トランプ譚の原題が「MÉMOIRES D'UN TRICHEUR」になっている。この映画を観てみたくて探していた本だが、私の見たい映画メモには「Le Roman d'un Tricheur」と作品の題名メモがあり、調べてみると、ギトリー唯一の小説が、今回入手した本の原題で出版され、その1年後の1936年に、ギトリー自身に改作された脚本で、ギトリー監督・主演で公開されたそうだ。この映画を中学生の時に観た中井英夫が、のちに「とらんぷ譚」を書いたということで、気になっていた映画なのだが、その元の小説が、邦訳され出版されていたとは知らなかった。今回のイベントで入手した本の中で、最大の収穫。

 18:新刊。

 19:

 20:

 21:おおなかやえこ。ポール・ゴーブルの『野うまになったむすめ』はよく見かけるけれど、これは見かけるようで見かけない。やはり、アメリカ・インディアンに伝わる話で、ハイイロオオカミアメリカ・インディアンがいかにして仲良しになったか、という内容。岩山の描き方が、『野うまになったむすめ』では見られなかった感じの絵で素晴らしい。そして、巻末の詩が印象的。よあけに/おれはさまよう、/はしって/おれはさまよう。/よあけに/おれはさまよう、/こばしりで/おれはさまよう。次の連では、"おどおどと"。最終連では、"ようじんぶかく"。だんだんと、ハイイロオオカミが人間様に裏切られ、追われ、虐げられて、居場所と仲間を失っていったようすが歌われているようで、切なくなる。

 22:

 23:今回購入特典として、A4で4枚分(A4で全7ページ分)の、ピストン藤井『鈍く輝け! どんてんマガジン』というペーパーが付く。2023年6月からnoteで隔週更新予定の同名サイトを立ち上げるので、その紹介ペーパー。