yh氏の日記

主に買った本を、メモがてら、ずらずら書いていきます。他に言葉集めなど。過去記事鋭意編集作業中。

今日買った本

■今日買った本。計9700円。

 

a)古書ますく堂にて。→移転後初入店。

1・杉みき子、戸川安宣・編『マンドレークの声 杉みき子のミステリ世界』龜鳴屋 ¥2420

2・E・L・カニグズバーグ・作、松永ふみ子訳『ジョコンダ夫人の肖像』岩波書店 ¥800

3・北川民次『メキシコの誘惑』新潮社 ¥300

4・中桐雅夫『会社の人事 中桐雅夫詩集』晶文社 ¥600

5・坂田靖子『星食い』朝日ソノラマ ¥200

6・菊池敬一/大牟羅良・編『あの人は帰ってこなかった』岩波新書 ¥100

7・大阪圭吉『勤王捕物 丸を書く女』書肆盛林堂 ¥500

8・かこさとし・作『きゅうりばあちゃんのコンサート』全国心身障害児福祉財団 ¥1200

9・かこさとし・作『ホイヤヤのうた』全国心身障害児福祉財団 ¥1200

10・リチャード・スキャリー・絵、くめみのる・文『たのしいさくぶん』集英社 ¥180

11・ルイス・ダーリング/ロイス・ダーリング・文/絵、山崎勉訳『かめ』福音館書店 ¥1000

12・高橋喜平・文、薮内正幸・絵『のうさぎ』福音館書店 ¥300

13・籾山千代・作/絵『東京いま・むかし 100年前の東京と今の東京』岩崎書店 ¥600

14・ichinoheminoru『ichinoheminoru漫画集』niji工房 ¥300

 

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 京都での趣味仲間との某編集会議に出席。その帰路に、大阪移転後には行けていなかったa)へ初訪問。玄関のところの児童書棚でかなりの時間を費やしつつも、中の本もできる限り(少なくとも本の背を)全部見て買えるだけ買った。ザックが重過ぎて、肩がちぎれそうになった。

 1:新刊本。

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 4:タイトルが面白いので、探していた本。本人の言葉で、ソネット形式の詩を収録。この形式、見開きの左右ページで一つの詩が完結するので、とても読みやすく、詩の初心者には心地よい。表題の詩は、会社の飲み会では人事の話ばかりというような内容で、私の経験的にも全く事実その通りで、何度つまらない思いをしたか。2つの詩、「意味」「詩人」に、"マルセル・マルソー"の名が出てくる。他にも、文学者やその方の名言であったり文学作品の名がぽつぽつ登場してきて、そんなところも面白いし、興味をもってちょっと調べたりして遊べる。この方の夫人のエッセイを読んでみたくて探している。

 5:何と前日のとある本好きの会合で本書所収の「星月夜」という短篇漫画の話が出たのだが、その現物に翌日すぐに出会えるとは。その読みは、ほしづきよ、であり、コトバンクというサイトで調べたら、思った以上に古い言葉でなんと900年前にはあったようだ。作品中の言葉では、"年に一度の星月夜です/冬の中で一番寒い夜に空と地上がつながるのです"とのこと。雪だるまや、しゃべる魚やイエティたちと星や月が雪山の中に集まって、わいのわいのする夜。舞台が和風の作品もあって、既読の坂田靖子作品にはなかったので、少し新鮮に感じた。全体に軽くて、読みやすいのはいつも通りの印象。

 6:2023/9/11読了。岩手のある山奥の集落の、戦争未亡人への聞き書き集。後半は、編著者の考察や、前半の聞き書きに対する注意書きのような思いなどが綴られる。聞き書き部、方言そのままを綴ってある。言葉で明言されていない、一言一言が終わった後の間(ま)が感じられ、そこにどうしても語ることができない部分があること、語ったとしても当人でなければ真に分かってもらえない部分をあることを感じている未亡人の心の内を、切に感じさせる。p.172、国からの遺族年金について、狭い農村の他者の目には、"未亡人世帯に対する扶助料は"独身我慢料"といった形で受取られているかに思えるのです。そしてまたこの扶助料は、未亡人が再婚すれば打ち切られる点で、"再婚阻止料"的役割も果たしているかもしれません"。再婚に失敗して再び元の未亡人に返っても扶助料は復活しない。今、さらに調べてみると、未亡人(なり配偶者)が再婚すると、その遺族年金は、その子へ支給されるとのことだ。p.188、当時教員をしていたときの未亡人が、"私の教え子の父が戦死し、そのくやみに出かける時、校長から「名誉の戦死なのだからおくやみを言うものではない。"名誉の戦死、おめでとうございます"というものだ」と注意された"。

 7:新刊本。

 8:

 9:

 10:横開きの本で、ページの真ん中で水平線のようにページがカットされており、上半分に前半文章が、下半分に後半文章が、さまざまに書いてある。前半部と後半部を、どのページ同士でつなげるとまともな文章になるか、また、ちぐはぐだったり突拍子もない文章になるのを笑いながら楽しむことも、この本が狙った面白さの大きな部分だろうと思う。前半部分が、何々が何々なので、という因果関係を説明する文章において、特にナンセンスな面白さがある文章ができやすい。

 11:かめの生態について学べる本ではあるのだが、それよりも人類が亀に対してやってきた仕打ちに関する記述の方が衝撃的。例えば、ガラパゴスゾウガメについて、古い航海日誌の記録から推し量ると、1831年から1865年の間に、アメリカの捕鯨船だけでも1万匹ものカメをガラパゴス諸島から持ち去ったらしい。たった一隻の船に350匹ものゾウガメを捕らえたということもしばしばあったそうだ。ガラパゴスゾウガメは、簡単には死なないので、いつでも新鮮な肉が手に入る、しかも肉の量も多いので、航海中の船員に喜ばれたのである。プラスチック以前の世界では、役に立つ鼈甲細工になるのでウミガメのタイマイが手当たり次第に殺されてきたし、アオウミガメは食用(アオウミガメのスープ用)として世界で一番高価なものと説明されており、成体はもとより、卵など1年に179万370個ももちさられたこともあったとのこと。カメ科のカメの、ダイヤモンドテラピンは、その肉が美味しいので、1890年代から第一次世界大戦の直後にかけて、ヨーロッパやアメリカの上流社会で「ダイヤモンドテラピンを定期的に食べないような人は、とるに足らない人物だ」とみなされたほど、大流行。その結果、個体数が激減し、一時は絶滅が危惧されたが、保護法律の制定や養殖の研究が進んで、絶滅は免れたものの、海岸線など人工化が進み生育できる自然環境が減って、すっかり元通りとはいかないだろう、ということ。

 12:リアル系のモノクロ鉛筆絵の絵本。リアルなので、のうさぎの表情がないのだが、例えば獣に追われて駆けているその体の必死さと、無表情の目のギャップがなんだか面白い。伸びをしているうさぎの、太ももが、ものすごく肉付きが良く、食べたら美味そうだなとか、この脚あっての脚力なんだなと思う。

 13:1988年(昭和63年)に出た本なので、100年前というと1888年明治21年)だ。本書は、1872年(明治5)に小学校が始まったところから始まっている。1910年(明治43)に日本の空を初めて飛行船が飛んだことも書いてあるが、『はいからさんが通る』に出てきた飛行船はこれかな。消防の出初式が始まったのは1974年(明治7)なので、出初式ってまだ150年くらいしか歴史がないんだな、とか、どのページにも「へえ」が必ずあって、勉強になる。さすが知識絵本という感じ。

 14: