yh氏の日記

主に買った本を、メモがてら、ずらずら書いていきます。他に言葉集めなど。過去記事鋭意編集作業中。

今日買った本

■今日買った本。計2180円。

 

a)9kにて。

1・アンソニー・バージェス、ファルビオ・テスター・絵、長田弘訳『アイスクリームの国』みすず書房 ¥1000

2・品川明・監修/文、中村庸夫・写真『スーパーカード図鑑 海の生きもの さかな』交通新聞社 ¥600

3・ビオレタ・デノウ・作/絵、立花香訳『ニコくんとアナちゃんはおんがくかになりたい』新世研 ¥580

 

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 二度目のa)へ。絵本や児童書を持っていて、半分くらいもらっていただいた。代わりに?気になっていた本を購入。

 1:

 2:同行者が欲しがったので買った本。カード状の図鑑で、表に魚にすむ生きものの写真があり、裏にその生きものについての解説が書いてあるのだが、「しおやき」「すし」「やきもの」などどういう調理法があるかを紹介してある点が面白い。マダコは「たこやき」がおすすめみたい。

 3:ビオレタ・デノウは、スペインはバルセロナ出身の3人の女性が作ったグループのペンネームだそう。このニコくんとアナちゃんシリーズは、どうやら友達どうしの2人が、1冊ごとに将来に何になるかを夢見て、〇〇になるには?といった知識や人生の道筋のようなものを簡単に学べるようになっているシリーズらしい。シリーズ作品は全7巻出ており、2人の気の多さを思わせる。画面いっぱい、余白のほとんどないカラフルで細かい絵。人は全体的に丸みを帯びた輪郭をもって描かれ、優しい印象を与える。

今日買った本

■今日買った本。計760円。

 

a)某所にて。

1・『Panasonic パーソナルコンピュータ 品番FS-A1 取扱説明書』 ¥0

2・鶴見正夫・文、高橋透・絵『ブルドーザのガンバ』偕成社 ¥0

3・レミー・チャーリップ・作、八木田宜子訳『よかったねネッドくん』偕成社 ¥0

4・飯島敏子・文、井上洋介・絵『だめなんてだめ!』ひかりのくに ¥0

5・上崎美恵子・作、上野紀子・絵『だぶだぶだいすき』秋書房 ¥0

6・今西祐行・作、中谷千代子・絵『バイオリンのおとは山のおと』偕成社 ¥0

7・今西祐行・作、遠藤てるよ・絵『さくら子とおじいさん』あかね書房 ¥0

 

b)ブックオフonlineにて。

8・大西京子、片桐善直・編『京子のパズル 大西京子パズル全作品集』波書房 ¥110

9・ドミートリー・ドミートリエヴィチ・ナギーシキン・作、ゲンナジー・ドミートリエヴィチ・パヴリーシン・画、大橋千明訳『勇敢なアズムーン アムール地方のむかし話』リブロポート ¥650

 

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 月に1度くらいの頻度で巡回しているのが某所a)である。今回は、なかなかの収穫を得た。b)は、9/13に届いたもの。上記のリストには入れていないが、b)では、高木正勝の『セイル』というCDアルバムも¥781で購入した。

 1:私が小さかったころに自宅にあったものMSX2のマシンが、まさにこのFS-A1だった。実家にはMSXマシンがあった痕跡は全く残っていないが、その取扱説明書を30年くらいぶりに目にして感動。内蔵ソフトの紹介で、ピンポンだかテニスだかが実機には入っていたように思うのだが、それはない(「コナミの新10倍カートリッジ」に入っていたのだろうか?)。BASICプログラムのリストも懐かしく、見よう見まねでプログラミングして、0とO、1とl、全角スペースと半角スペースなどの違いに、散々苦しめられた当時を思い出す。

 2:

 3:どちらかというと1997年改訂版で縦長の版になったもののほうが欲しかったが、入手したのは1978年5月初版5刷のもの。改訂版は、原作者たっての希望で、英文併記となっている。また、原画サイズに合わせた版型になっているようだ。というのは、今回入手の旧版の紙面をよく見ると、左右両端に白帯状の余白があったりするので、原画はもっと縦長だったのだと気づいた次第。訳文も結構変わっていたが、これは旧版の方がリズムが良くて読みやすいと思う。FortunatelyとUnfortunatelyの繰り返しの、万事塞翁が馬的なお話。

 4:

 5:上野紀子氏の絵ということで、うっすらとしたホラーさが滲み出る話かなと思って読んでみたら、やはりそう。水を汚す人間たちに、水の精が復讐をするように、と水の王様にけしかけられるが、だぶだぶ服の主人公サラサラは反対の立場を貫く。人を殺したら大きくなれるような仕様にされた水の精の子どもたちは、そのことに疑問も持たず/持てず、そのことを当たり前のものとして大きくなっていく……教育の恐ろしさよ。サラサラはだぶだぶ服のまま、すなわち子どものまま、人を信じて生きていくことを自ら決心する。押し付けられるものに反対できるのも、子ども心にある自らの心に従うという素直さが必要なのかも。教育で人格が善悪のどちらにどう転ぶか、人間の人格形成は本当にはらはらさせられるものがあると思う。

 6:バイオリン作りのおじさんが山の木を切り出して作るバイオリンは、山の音、それは雨や雪や雷やらの音をたっぷり含んでいるから素晴らしい音を出すんだよ、という語り絵本。ほとんどの文章がおじさんの語りきかせの言葉になっていて、これくらい子どもたちに自分の仕事を語れる大人になりたいものだと思う。

 7:

 8:

 9:

今日買った本

■今日買った本。計1550円。

 

a)9kにて。→初入店。

1・ジャック・ガントス・作、ニコール・ルーベル・絵、石井桃子訳『あくたれラルフ』童話館 ¥540

2・大石真・文、北田卓史・絵『トムとチムのたのしいクリスマス』ひくまの出版 ¥400

3・佐々木和子『人間の知恵14 台所のはなし』さ・え・ら書房 ¥610

 

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 SNS上で見かけた新聞記事でa)の実店舗があることを知ったので、早速仕事の休みのこの土曜日に行ってみた。概ね絵本と児童書の古本屋で、自分の好みにぴったりのお店。結構珍しい作品も置いてあって、じっくり棚を見させてもらった。

 1:同行者が選んだ本。帰宅して読んだら、同行者はラルフの悪たれ具合と、更生のための仕打ちに近い苦労に、軽く肝をつぶしたみたいで、あまり食いつきが良くなかった。

 2:トムは犬で、チムは猫。2匹は、たっちゃんの友だち。たっちゃんは、寝ないとサンタからのクリスマスプレゼントが届かないので早々に寝るのだけど、したたかなことにトムとチムに見張りを頼む。サンタは、はっきり確認できなかったけど、翌朝プレゼントが庭に置いてある。トムとチムへのプレゼントは雪で作られたロケットで、たっちゃんと3人でそれに乗って離陸したところでおしまい。最後はちょっと幻想味あるな。

 3:平安や室町時代では、貴族は料理することを(火を扱うせいで煙たいなど)むさ苦しいことと考え、自分たちで料理をせずに、別棟で召使いに作らせていた。貴族のいる棟では台盤所(だいばんしょ。これが台所の語源らしい)という盛り付けだけをするスペースしかなく、料理が運ばれてくるころには、すっかり冷めてしまっていたそうだ。その反対に、いつ駆り出されるか分からない武士は、自分たちで料理をするようになっていたらしい。電気、ガス、水道が整備されるにつれ、料理が簡単になって、男性たちが台所に入るようになってから、台所がどれだけ不便な造りになっているかが判ってきて、流し台の高さが上がったり、水道とコンロや調理台や戸棚の位置関係などの改良が一気に進んだそうだ。

今日買った本

■今日買った本。計19190円。

 

a)コトノハブックスにて。→10%OFFセールをやっていた。初利用。オンライン古書店

1・ベッキー・ライアー・作、光吉郁子訳、ルース・ガネット・絵『わたしのおかあさんは世界一びじん』大日本図書 ¥210

2・マージョリー=ワインマン=シャーマット・作、リゼル=ウェイル・画、生田信夫訳『ゆかいな三人組たんてい団』学習研究社 ¥350

3・トミー・デ・パオラ・再話/絵、晴海耕平訳『ノックメニーの丘の巨人とおかみさん』童話館出版 ¥200

4・島村福太郎・監修、鈴木三枝子・文、北田卓史・絵『幼児の科学4 たいようとうちゅうのほし』童心社 ¥1000

5・エーリヒ・ケストナー・文、ワルター・トリヤー・絵、光吉夏弥訳『どうぶつ会議』岩波書店 ¥350

6・E.M.プレストン・文、バーバラ・クーニー・絵、岸田衿子訳『おつきさんどうしたの』岩波書店 ¥400

7・サムイル・マルシャーク、レーベデフ・絵、内田莉莎子訳『こねこのおひげちゃん』岩波書店 ¥500

8・ソーントン・バージェス・作、前田三恵子訳、富永秀夫・絵『ふくろねずみのビリーおじさん』金の星社 ¥600

9・三田村信行・作、佐々木マキ・絵『もりのみっつのたんじょうび』教育画劇 ¥650

10・アンデルセン・原作、武井直紀訳、佐々木マキ・絵『火うち石でおまたせワン!』三起商行ミキハウス ¥450

11・三輪映子・絵『にほんのわらべうた2 あがりめさがりめ』福武書店 ¥600

12・ミーシャ・ダミヤン・文、ドゥシャン・カーライ・絵、矢川澄子訳『12月くんの友だちめぐり』西村書店 ¥600

13・上沢謙二・再話、荻太郎・画『こびとのおくりもの』福音館書店 ¥600

14・山下明生・作、太田大八・画『屋根うらべやにきた魚』岩波書店 ¥800

15・東君平・作、西巻茅子・絵『ぼくのだいじなももたろう』あかね書房 ¥800

16・ヴィクター・アンブラス・作/絵、かたおかひかる訳『バイオリンひきのミーシカ』らくだ出版 ¥1200

17・グリム童話、フェリクス・ホフマン・画、酒寄進一訳『くまおとこ グリムどうわより』福武書店 ¥1800

18・奥田継夫・作、太田大八・絵『三角の部屋』ほるぷ出版 ¥800

19・市川里美・作、矢川澄子訳『シュゼットとニコラ2 おつかいに』冨山房 ¥800

20・岸田衿子・文、中谷千代子・絵『ノアおじさんのはこぶね 聖書物語』岩崎書店 ¥800

21・マックス・ボリガー・文、チェレスティーノ・ピアッティ・絵、いずみちほこ訳『金のりんご』徳間書店 ¥800

22・リセロッテ・セルピーターセン・作、木村由利子訳『どこかちがうマリア』偕成社 ¥500

23・ひさうちみちお『オーロラ 森の奥の永い睦言』ブロンズ社 ¥1200

24・イルズ=マーグレット・ボーゲル・作/絵、掛川恭子訳『おばあちゃんがいるから』岩波書店 ¥1000

25・柴田晋吾・作、太田大八・絵『おとうさんとゆきぐにへいったんだよ』偕成社 ¥800

 

b)某所にて。

26・都筑道夫『都筑道夫ひとり雑誌 第2号 掘出珍品大特集』角川文庫 ¥0

 

c)why?にて。

27・ガブリエル・ガルシア=マルケス、木村榮一訳『コレラの時代の愛』新潮社 ¥0

 

d)ブックオフonlineにて。

28・ジャネット&アラン・アルバーグ・作、佐野洋子訳『どろぼうたちに気をつけろ』文化出版局 ¥550

29・クラウディオ・アバド、パオロ・カルドニ・絵、石井勇/末松多壽子訳『アバドのたのしい音楽会』評論社 ¥800

30・ロバート・ルイス・スティーヴンソン・原詩、和田誠訳/絵『旅』ほるぷ出版 ¥650

 

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 オンライン古書店のa)で10周年記念セールをやっていたのをたまたま発見した。驚いたことに、欲しかった本がたくさん登録されているので、手元のリストを総動員してあれこれ調べながらまとめ買い。商品の割引額が送料を上回ったところで手を打った(購入手続きに進んだ)。この記事の投稿日付にa)の本が届いた。b),c)は近所にあり合法的にタダで本が手に入る場所。c)では、映画DVDも3タイトルほど頂戴した。d)は、8/14に届いたもの。

 1:ウクライナの話。「ゆかいなゆかいなおはなし」シリーズのうちの1冊。新装版も出ているが、今回入手は1996年10月20日第6刷発行のもの。ウクライナの有名な諺「きれいだから、すきなのじゃない。すきだからこそ、きれいにみえるのだ!」を物語にしたもの。ワーニャが迷子になって、周りの大人がお母さんはどんな人かねと尋ねたところ、タイトルのように世界一の美人だと答える。美人のお母さんを集めても、ワーニャのお母さんは見つからず、美人でないお母さんが現れ、それがワーニャのお母さん、というわけ。物語の前半は、ワーニャがどれほどお母さんを好きでいるかの様子があれこれ語られる。この前半あっての、後半の諺だ。

 2:

 3:アイルランドの昔話で、巨人譚。フィン・マクールという気立の良い男の巨人が、暴れん坊でそれこそ巨大なククーリンという巨人に目をつけらている。ククーリンとの衝突を避け続けるフィンだが、ついに逃げられないところまできてしまったところで、おかみさんのウーナの賢い作戦によって、ククーリンを撃退する。その作戦とは、フィンを赤ん坊に扮装させて、隙をついてククーリンの弱点を突くというもの。巨人が赤ん坊に扮している絵が滑稽で、読み聞かせしていて大笑い。デ・パオラの絵は、ほのぼのしていて、いつ触れても愉快な気持ちになる。

 4:

 5:岩波の子どもの本。

 6:がちょうの子どもたちの中の「悪い子」が主人公なのだが、良い子向けな物語になっていて、あまり面白く感じられなかった。「オオカミが来たぞ」みたいな嘘つき(本作では意図的でない嘘になっている点が異なるが)の繰り返しなのだが、きつねに襲われたときにこの嘘が助けになる。この嘘がついに意図的な嘘として口にしたものか、それともそれまで通り無邪気な非意図的な嘘なのか、そこが判らない。後者なら、「悪い子」はそう遠くない未来に殺されただろう。

 7:

 8:バージェス・アニマルブックス全10巻の第3巻。全巻集めているわけではなくて、富永秀夫・絵だから探していた巻。

 9:

 10:鳴らすとどこからか駆けつけてくる犬の家来を呼ぶ火打ち石を主人公の男が入手するまでの前半と、その犬を遣って、お城のお姫様を連れ出してしまいには結婚する後半とに分かれる。お城のお姫様を連れ出したときに、召使が犬を追って男の家を突き止めて玄関のドアにバツ印を付けるのは、先日読んだ馬場のぼるの『アラジンと40人の盗賊』に出てきたのを全く同じやりかた(で、さらにそれを無効化する方法も同じやり方)で、原作者のアンデルセンは、アラビアンナイトからお話を借りてきたのかな。その次の、粉袋からこぼれる粉を追って男の家を突き止める方法は、話が長くなるからか、またアラビアンナイトと同じ方法で無効化することをしていない。主人公の男は結構ずうずうしいやり方で、王位に就くので、話としては面白いが全体に教訓的なものは感じさせない童話である。

 11:全4冊のシリーズのうちの2巻目。表紙の版画絵から一目惚れして探していた本。あがりめさがりめねーこのめ、というわらべうた。自分が小さい時に聞いたり文字で見たりした記憶がないのだけど、何となく読めば、読むリズムがつかめてしまうところが、伝承され今に残ってきたわらべうたの精鋭の一つだからなんだろうな。子どもと読みながら、絵と同じようにして目尻をぐりぐり動かして遊んだら楽しい。

 12:新装版。絵を描いた方は、BIB(ブラチスラヴァ国際絵本原画展)の金のりんご賞やBIBグランプリを受賞しているのだが、スロヴァキアのブラチスラヴァ生まれというから驚いた。物語はマルシャークの『森は生きている』と同じもので、年がら年中旅して回っている大風の違う月の話を聞いた12月が、自分の仕事に虚しさを感じたところに、他の月に会いにいくよう勧められて、そのように1年を旅し、また新たな気持ちで12月の仕事に精を出しなおすという筋。どの絵も幻想的で、淡いけれどもカラフルで繊細な石膏のような質感の冷たいような美しさがある。植物、動物や鳥、昆虫、人物、暗号のように散りばめられている小物、一つ一つも美しいがそれらの事物や様々な輪郭線の絡まり合ったぱっと見たときのバランスも類を見ないような印象を受ける。ところどころに点々の柄があって(衣服の模様などにやや多く見られる)、これが生理的に気持ち悪さを感じさせつつも、料理でいう苦味のようなスパイスの刺激というか、絵を見るという体験の中に効いているなあと思う。12月の頭の上に鳥の巣箱が乗っているのが、ベッドの上では帽子を脱ぐように、それはのけられていて、このことに気づくと、他のページの人物の頭の上に注目するようになってしまったのも読んでいて面白かった。

 13:復刻版でも所有していたような気がするが、調べてみたら気のせいだった。"再話"なので、元はどこの国のお話なのか知りたいところ。身寄りのない女の子ヒルダが、ある一家で一緒に暮らすことになる。クリスマスの日、ヒルダが、森でストーブにくべる松かさを拾っているのを見かけたこびとが、銀の松かさをプレゼントしてくれる。それを持って帰ってきて一家のお父さんに報告したあと、ヒルダと一家の子ども達は、村中の家にそれを配って歩く。一家のお父さんの慈善の態度が素晴らしく、この家庭ならば、貧しくとも子どもたちは素直にすくすくと育つだろうな。松かさを燃料にするにしても、すぐ燃え尽きてしまいそうで、相当量を確保しなければ足しにならないだろうなとも思う。

 14:岩波ようねんぶんこ27。新装版も出ているが、今回入手は1981年10月23日第1刷発行のもの。

 15:

 16:

 17:ホフマン遺作で下絵状態の絵で出版された作品。

 18:

 19:

 20:解説(「ノアの箱舟について」堀尾青史)の紙付きというのが嬉しい。ノアは洪水の来る前は、599歳で、洪水を起こす大雨が降り始めたあたりで、600歳になったという。解説を読むと、さらに洪水が引いて顔を出した地上に足を下ろしたときは601歳、そして享年は900歳だったという。この作品では、ノアの行為を馬鹿にしたり、取りすがったりする他の人間は登場せず、比較的あっさり不要な人間たちが一掃されてしまう印象。

 21:

 22:耳の聞こえない女の子マリアについての絵本。両親にしても耳が聞こえないと判るまでが大変で、誤解のせいで知らずマリアをたくさん傷つけてしまう。そういうことを減らすには、やはりこういう絵本を読むなど、教養的に事例をどれだけ情報として触れておけるかということが重要だろう。

 23:

 24:岩波ようねんぶんこ17。ビニカバ付。新装版も出ているが、今回入手は1980年6月17日第1刷発行のもの。

 25:雪国に位置する(おそらくおとうさんの実家である)おじいちゃんとおばあちゃんのうちに、孫であるマキとそのお父さんで向かう話。電車で向かうところから、おじいちゃんとおばあちゃんのうちの最寄駅からおじいちゃんちまでの車に乗るところなど、アクセスの描写が丁寧。雪を期待して行ったのに、まず降雪のない日に到着したことにして、おじいちゃんとおばあちゃんのうちの田舎風情をしっかり紹介するために、いろりや土間、障子への手影絵のシーンを入れている。それから、翌朝になって、家の外を大雪に覆わせて、読み手の心を雪国のなかに思い切り放り込んでくれる。"雪国"に没入するまで、じわじわと実に丁寧にシーンを運んでいく手際がすごく良い。帰りは、それまでの会話に出てきた、昔使っていたという馬車で最寄駅まで行き、別れの後の奥付のある文字なしの最後の絵で、息子と孫のいなくなって少々寂しそうなおじいさんとおばあさんが乗るソリの背中を描く。この最後の絵は、大人には見逃せない余韻をもたらしてくれる。

 26:我孫子武丸の一人雑誌のもとネタはこれか。カバー袖を見ると少なくとも第3号まで出ている(さらにwebで調べると全4冊あるようだ)。状態悪だが、掘り出し物。2024/3/E売却済。

 27:新型コロナ時代なので、前所有者が手に取られたのであろう。まだ文庫化はされてないようだ。

 28:舞台はロンドン。どろぼう6人組と警察(といってもパフという凄腕の警官一人が一味をやっつける)のどたばた活劇。漫画風の画面に、細かい字で看板やら紙切れやらにあれこれ書いてあって、どこも読み逃さないように読まないと気が済まない自分は、こういうのが好きである。"けいさつ署長さん"がさけぶページで、ページを開いたままの絵本が置いてある絵があるけれど、これなんかもおそらく実在の絵本ではないかと睨んでいるが(それこそアラン&ジャネット・アルバーグ夫妻の作品ではないかなあ)。"どうろちず"に書いてある盗まれたクリスマスプレゼントのあれこれも、その次のページに見られるものもあって、そんな前後のページの照らし合わせをしてみたりして、長い時間遊べる。

 29:タンタンみたいな絵で気になっていた本。

 30:「イメージの森」シリーズのうちの1冊。『宝島』で有名なスティーヴンソンの詩を、和田誠さんが韻を踏みながらの日本語に訳している。もちろん原詩も韻を踏んだつくりになっていて、その原詩も同時に掲載してあるので、日英の言葉を読み比べして、訳語の選び方をじっくり確認する楽しみもある。使われている色は、緑、黄色、水色、ピンク、こげ茶色、といったところか。色を付けていない余白も多い。見るべきところに色が置いてあるので、見開きごとに、ぱっ、ぱっ、とどんな場面かが目に飛び込んで即座に理解できる。

今日買った本

■今日買った本。計5212円。

 

a)ネットoffにて。
1・ハンス・クリスチャン・アンデルセン・文、ヨゼフ・パレチェク・絵、石川史雄訳『人魚ひめ』ブロジェクトアノ ¥990
2・リブシェ・パレチコバー、ヨゼフ・パレチェック・絵、木本栄訳『かばのティリーネック』プロジェクトアノ ¥770
3・田岡りき『吾輩の部屋である 5』小学館 ¥200
4~6・城アラキ・原作、加治佐修・漫画『バーテンダー à Tokyo 1,2,6』集英社 3冊で¥428
7~8・城アラキ・作、花門初海・画『カクテル 2,3』集英社 各¥110
9・山本おさむ『BIG COMICS WIDE どんぐりの家 1』小学館 ¥334
10・半村良『雨やどり』集英社文庫 ¥270

 

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 ネットで注文していた本a)が届いた。

 1:プロジェクトアノのチェコの絵本シリーズのうちの1冊。発行者プロジェクトアノのアノ=anoは、チェコ語で「はい」(反対語は「いいえ」)の意味のようだ。

 2:プロジェクトアノのチェコの絵本シリーズのうちの1冊。この作品は、アニメーション作品の方がもしかしたら先行発表されたののかもしれない。かばのティリーネックが、人の子に容姿や声を悪しく言われて、自分を見失い、魔法の花に頼んで蝶や鳥や魚に変身して、かばの自分を捨てようとするが、結局はかばである自分に納得して元の家族や仲間たちとの暮らしに戻る話。かばの顔にすげ替えられた蝶や鳥や魚の姿が、気持ち悪いような可愛らしいような感じ。表3にある著者と絵描きの紹介文と奥付が(真っ白な)カバー袖に隠れる仕様はちょっと珍しいように思う。フレーベル館から1981年に出た『ちびでぶカバくん』と同じ作品かどうか確認したい。

 3:シリーズ収集中の本。

 4~6:シリーズ収集中の本。

 7~8:シリーズ収集中の本で、これで全3巻そろった。

 9:シリーズ収集中の本で、これで全3巻そろった。

 10:1974年下半期の直木賞受賞作で、バーテンダー主人公の話と知って読んでみたかったもの。表紙の呑み屋街はどこだろう、と思って店の看板を頼りに調べてみたら、「新宿ゴールデン街」だと判明。「鳥よし」という名のトリスバーは今はもうない。2年後に表紙が滝田ゆうの文春文庫版を入手したので、そちらで読了した。こちらの集英社文庫版は、2024/3/E売却済。

今日買った本

■今日買った本。計1040円。

 

a)紀伊國屋書店徳島店にて。

1・アネット=チゾン/タラス=テイラー・作、山下明生訳『バーバパパのがっこう』講談社 ¥1040

 

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 もう何の用事だったか思い出せないが、そごうのビルに行く用事があって、そのついでに、財布の中にずっと入ったままだった図書カードを使うべく、上階のa)へ寄った。久しぶりの大型新刊書店。店内が、ぴかぴかの新刊が目に眩しい。

 1:図書カード¥500分を使ったので、その値段で書いている。図書館でよく借りてくるこのシリーズ絵本だが、同行者がこの巻が欲しいと言ったので、買った。びしびししつける学校に反発する子どもたちを、バーバパパたちが楽しみながら学べる学校が必要だと考えて、自分たちで学校を作り、子どもたちを指導する。お手上げ状態だった先生たちも、調子を取り戻して、新しい学校で楽しく子どもたちに教える。この巻は特に説教くさい内容だと感じる。読み聞かせした感じも、ちょっと反応薄だった。学校のイメージがまだよく掴めていないので、しょうがないかも。

今日買った本

■今日買った本。計388円。

 

a)ブックオフ阿南店にて。

1・御厨さと美『ノーラの箱船』奇想天外社 ¥110

2・トシ・マサヒロ・作/絵『ゆめのきかんしゃおいかけろ』PHP研究所  ¥110

 

b)マヤルカ古書店通販にて。

3・なかむらあきこ『COVID-19後の社会とフェミニズムを考えるZINE vol.3』 ¥168

 

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 T氏の送迎の間の暇つぶしに、a)へ行ってみた。石ノ森章太郎の『老子道』や『沙流譚』といった見慣れない作品も置いてあったが、決め手がなくて今回は見送り。b)は、7/14に届いたもの。

 1:「デコンポーザー」(分解者の意)という作品が印象的。石油のような油脂性物質を基底とする金属を強力に腐食するカビが、全世界に蔓延する話で、タンカーや飛行機が使えなくなり、世界全体への石油の供給が途絶えてしまう。最後は、都会の人々が、自給率の高い生活をしている田舎へ移住(疎開といった方が良いかも)するシーンで終わる。現在の新型コロナウイルスが蔓延する世界を、ある種予見するような物語。移住先では、都会の人々への差別や偏見は免れないものとなるだろう。

 2:空やら海やらを縦横無尽に駆け回る、ゆめに出てきたきかんしゃを追いかけるファンタジックな絵本。色鮮やかで、こまごまとした絵に細部まで目を惹きつけられる。今回2005年5月2日新装版第1刷を入手。この本は、1982年4月7日第1刷のときは、とし・たかひろ名義で出版(旧装版とする)され、その後に改名している。新旧の差を確認した。奥付で、著者紹介文が異なる。旧装版の方が、主な作品の紹介冊数が多く、探求本を増やすのに役立つ。新装版で主な作品紹介冊数が減ったのは、出版当時には既に旧装版で紹介された作品の新刊での入手ができなくなったためと思われる。サイズ定義が違う。旧装版は、32p, 23.1cm。新装版は31p, 24cm。旧装版時代は、奥付ページまでページ数に加えていたらしい。cmは本の高さのことだと思うが、現物の両者のサイズはぴったり同じなので、新装版時代にはcm未満の端数は繰り上げてしまうことにしたようだ。ページ数や高さの定義の変更は、この時期のPHP研究所内だけのことなのか、業界規模?の変更なのか不明。そして最大の差だなと思ったのが、一箇所だけあった絵のトリミングの違い。肝心の最終見開きのページで、月の位置が旧装版では、のど(綴じ部)に重なっていて、極めて残念なことになっている。これを新装版では、絵の右辺の5mm程度のトリミングによって位置調整してある(ちなみに左辺も4mm程度トリミングしてある)。これは一読者としては、良い仕事してくださったなあと思う。最後の違いは、紙質の違い。旧装版は吸水しやすそうなざらつきのある紙で、新装版は水に強そうな光沢のある紙で、色も明るく鮮やか、絵の具の厚みもところどころ見て取れるほど印刷が良くなっている。

 3:今回は一緒に通販で買いたい本が見当たらなかったため、封筒に返信用封筒を仕込んで送ってもらった。ZINEそのものは無料だけど、ここでの価格は通信料を入れている。

今日買った本

■今日買った本。計3468円。

 

a)ブックオフ国府店にて。

1・大泉黒石、大泉黒石全集刊行会・編『大泉黒石全集 第6巻 葡萄牙女の手紙』緑書房 ¥718

 

b)元大家さんより。

2・イアン・V・フォッグ、小野佐吉郎訳『大砲撃戦 野戦の主役、列強の火砲』サンケイ新聞社出版局 ¥0

3・ジョン・ヴィークス、小野佐吉郎訳、中野五郎・日本語版監修『拳銃・小銃・機関銃 日独伊・米英ソ歩兵兵器』サンケイ新聞社出版局 ¥0

 

c)ブックends通販にて。

4・島田潤一郎『本屋さんしか行きたいとこがない』岬書店 ¥1210

5・武田砂鉄/大石トロンボ/山下賢二/小国貴司/Z/佐藤晋/馬場幸治/島田潤一郎『ブックオフ大学ぶらぶら学部』岬書店 ¥1540

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 とある未踏の温泉に行った帰りに、a)へ寄った。下駄を履いていた同行者が、店舗内で派手に転倒して、思わず笑ってしまったが、いい大人なので骨折等の心配をまずすべきだったと反省。床がよく磨かれている証拠。b)は、近頃自宅を整理していて、ある程度まとまった量の元大家さんの置き土産の第二次世界大戦ブックスを処分することにしたときに、SNSでシリーズ中のおすすめタイトルを紹介されて、それにエントリーされていたタイトルを手元に残したもの。c)は、7/10に届いた。価格は振込手数料込みで記載している。

 1:オレンジ色の全集の端本。月報(書報)付。黒石の本は、これで我が家に3冊となった。帯が本体の中に畳まれてしまわれていたのも嬉しい。河出文庫の『黄夫人の手 黒石怪奇物語集』との収録作品重複も確認したいところ。

 2:原題は『GUNS』。第二次世界大戦ブックス37。

 3:原題は『Infantry wepons』。第二次世界大戦ブックス43。

 4:

 5:届いたその日に読み始めて一気に翌1:00に読了。何やら熱いものが体に流れてきて、結果、久しぶりにa)のブックオフに行く気になったのだった。せどり話は業界を知る参考にはなるが、正直面白くない。ブックオフで起きたさまざまな逸話や、ブックオフ好き過ぎてこのような自分になってしまったとか感覚やライフスタイルへの影響といったような話をもっともっと読みたかった。四コマ漫画は共感する点が多く気に入った。独り車でブックオフを巡りをしたときに、翌朝入店したい店舗の駐車場で車中泊するなど、懐かしい記憶も掘り起こされた。

今日買った本

■今日買った本。計7825円。

 

a)Glacier Bay Books通販にて。→初利用。

1・●『Glaeolia (Standard)』Glacier Bay Books ¥6353 7/9着

 

b)ヤフオクにて。

2・『週刊プレイボーイ 昭和50年12月9日号』集英社 ¥690 アカデミイ書店

3・『Weekly漫画アクション 1983年1月6日・13日号』双葉社 ¥391 サキヤマデザイン

4・『Weekly漫画アクション 1983年1月27日号』双葉社 ¥391 サキヤマデザイン

 

***

 

 a)は、6/23に注文して7/9に届いたもの。価格の内訳は$25+船便の送料$32(1$=111.5円くらい)。b)は、2は7/2に、3,4はその数日後だったかに届いたもの。

 1:

 2:

 3:単行本化されていない上村一夫「E少女A」のVol.1「依頼の1」が読める。

 4:単行本化されていない上村一夫「E少女A」のVol.3「依頼の3」が読める。

今日買った本

■今日買った本。計3470円。

 

a)50m書店にて。

1・保坂和志『<私>という演算』新書館 ¥700

2・阿刀田高『ことばの博物館』旺文社文庫 ¥200

 

b)ブックオフ高松仏生山店にて。

3・杉山径一・文、北田卓史・絵『へんしんじどうしゃえんこくん』小峰書店 ¥570

4・多田ちとせ・文、太田大八・絵『なむチンカラトラヤーヤ』ほるぷ出版 ¥210

5・若林一郎・文、西山三郎・絵『かっぱとひょうたん』ほるぷ出版 ¥210

6・木暮正夫・文、斎藤博之・絵『おにの子こづな』ほるぷ出版 ¥210

7・渋谷勲・文、松本修一・絵『てんぷくちふく』ほるぷ出版 ¥210

8・樋口淳・文、梅田俊作・絵『とりのみじさ』ほるぷ出版 ¥210

9・望月新三郎・文、福田庄助・絵『いぬとねことふしぎなたま』ほるぷ出版 ¥210

10・瀬名恵子『とうふこぞう』童心社 ¥210

11・メアリー・リン・レイ・詩、クリストファー・サイラス・ニール・絵、鴻巣友季子訳『どこかでだれかがねむくなる』福音館書店 ¥210

12・佐々木マキ『そらとぶテーブル』福音館書店 ¥210

13・高橋宏幸・作/絵『たぬきのタンタきゅうきゅうしゃにのる』岩崎書店 ¥110

 

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 昨日から上映が始まった映画をイオンシネマ高松東まで観に行った。その映画は、今のところ四国では、この一館だけでしか上映しないのだ。無事鑑賞を終え、a)の温泉で一息ついて、同行者を休憩スペースで待たせている間にb)とc)へ行ってきた。b)は、営業していなかったが、場所を特定することができたので、とりあえず次回につながる成果と思おう。

 1:2020/7/2読了。

 2:

 3:数分走るだけでえんこしてしまう車「えんこくん」。主人公はやのはやお君の家の車。家族みんながえんこくんに愛想を尽かした翌日にさっさと新車に買い換えたのだけど、何となくえんこくんの行く末が気になるはやお君。中古車として売られたえんこくんが、とあるおじいさんの手に掛かって生まれ変わったはやお君の前に現れる。はやの家の決断の早さに驚かされる。扉絵ではやお君が手を交差させているのは、仮面ライダーなどの変身ポーズを真似たものだろう。こういうポーズがいつの時代まで読者に伝わるだろうか、などと思う。

 4:4~9は、いずれも松谷みよ子と吉沢和夫が監修した「日本みんわ絵本」というシリーズ。寺に住むトラという猫が、夜中に和尚さんを真似てか、近所の猫を集めてお経をあげていた。それが和尚さんにバレて恥ずかしくなり、いなくなってしまうが、数年後に恩返しに人の姿となって現れ、近々和尚さんが活躍できる機会がくることを予言する。和尚さんはそのときトラに教えてもらった通りの振る舞いをして、富を得るという話。猫檀家(ねこだんけ)としても知られた昔話だそう。和尚さんは特に富を得ること、寺を大きくすることを特別望んでいないところが面白い。

 5:長崎の民話。かっぱが置いた田んぼの水口の石を取り除いてもらいたくば、娘を嫁にくれ、と言われ弱った庄屋どん。三人娘の末娘が了承するのだが、嫁入り道具と称して水に沈まない空っぽのひょうたんをたくさん持って行き、かっぱに水底まで大事に運ぶよう言いつける。かっぱがどんなに頑張っても水面に戻ってしまうひょうたんに力尽き、川流れになり、末娘はかっぱの嫁にならずに済むという話。賢い末っ子が活躍する話は、例えば三匹のこぶたもそうで、記憶のどこかにももっとあったはずだがなあと探しているが、今書いていてすぐには思い出せない。西山三郎氏のきりえと配色が良い。かっぱが両手足を使って、必死に水中にひょうたんを運ぼうとしている様子や、裏表紙の田舎の風景の2つの絵が、特に好み。

 6:黒雲に乗って娘をさらいに来る赤鬼、というのに珍しい印象を受けた。赤鬼と娘の間に子(こづなと命名された)が生まれ、娘の父(と思うが、爺さまと呼ばれている)が娘を探し当てにくる。それに気づいた鬼の難題をこづなの切り抜けながら、父娘こづなの3人が赤鬼から逃げ切る話。この手の民話の追いかけられるときのリズム感ある迫力は、読み手の気持ちものりに乗って、楽しいものだ。擬音語の選び方がちょっと独特なところも面白く感じた。

 7:福島県伊南村(いなむら)というところに住んでいたお婆さんから採集した昔話だそう。夢でさずかったという天の神様の福。はたらきもののおじいさんはそれを現実に畑の中に埋まっていた甕のなかの大判小判で手にするけれど、やっぱり天の神様のものだと思って、埋め直す。悪者じいさんが、それを奪うと、蛇でいっぱいの甕になっている。復讐しようと、良いおじいさんのところでその甕の中をぶちまけると、大判小判が降ってきて、天の福が降ってきた、となっておしまい。

 8:とりの呑み込んだおじいさん、という意味のタイトル。きれいなとりを不意に呑み込んでしまったおじいさん。おへそからとりの尾っぽが飛び出てきて、それを撫でると面白い声が聞こえてくる。これが評判になって、殿さまの御前でも披露し、ほうびをたーんといただく。それで、隣のなまけじいさんが、今度はカラスを飲み込で同じことを企むが、出るものも出ず、殿様の前で汚いうんこをして逃げ帰る。話のオチが下ネタだけど、やっぱりこういうの面白い。

 9:おじいさんが、木の股に白蛇が挟まっていたのを助けて、自宅でご飯を与えてやると、どんどん白蛇が成長して、世話できないくらい大きくなって、途方にくれていたところ、何やら察したのか、白蛇の姿が見えなくなり、代わりに金の粒を振りまく金の玉が現れる。しばらく幸せに暮らしていたところ、やがて金の玉が盗まれるが、おじいさんが飼っていたいぬとねこが、それを取り返しに行く。このような話は、呪宝譚(マジック・リング)と呼ばれて、世界的にみられるパターンの民話だそう。玉が盗まれたり、猫がくわえていた玉を取り落としたり、失敗もありつつ、最後はハッピーエンドになる、そういう物語の弾むような起伏を楽しんで読んだ。

 10:お寺の小僧さんが、犬に襲われている豆腐小僧を助け、友だちになる。豆腐小僧から、お化けのなかまたち(一つ目小僧とかいろんなこぞうが出てくる)を紹介してくれているときに、天竺からきたという"こぞう"が囚われているという話を聞いて、皆で様子を見にいくのだが、そのこぞうはこぞうはこぞうでも……というオチ。巻末に作者の言葉が載っていて、草双紙という江戸時代の絵本のような漫画本のようなものが、お化けたちの元ネタにしているらしいことが触れられている。お化けなのに弱い豆腐小僧と人間の小僧なのに勇気のあるお寺の小僧という逆転したような対比が、創作としてうまいなあと思う。とはいえ、よく考えてみれば、瀬名さんのおばけえほんの主人公は、だいたいお化けに怖さを感じない元気な主人公だったなあ。

 11:牧場で暮らす女の子が眠るのを、牧場の生き物たちが眠るのと対比させながら丁寧に描いた絵本。細部に仕掛けが多くあるように思う。時計の針はちゃんと動いているし、女の子の読んでいる本のなかには、登場した牧場の生き物たちが載っている。シルエットで馬と牛の違いが読み取れるし、小屋やトラクターの位置関係で、寝室の女の子を取り巻いている生き物たちの居場所や寝床がどこにあるのか判るようになっている。眠りと夢の世界に入っていく表現も、意識の飛躍がやはり丁寧に静かで美しく描かれている。最後のページだけが、ちょっと不満と言えば不満で、何となく押し付けがましい愛を感じるが、どう終わらせたら、自分にとって満足できたろうか。何となくだが、フェードアウトとズームアウトで自然体にそっと終わらせてあって欲しかったかな。

 12:空き地に置いてあったテーブルの上に乗って、行きたいところをふと呟いたら、テーブルがびゅーんと飛んで、その場所まで移動した。そこで新たな友だち?に出会って、またその友だちが行きたいところへ飛んで行ってみて、と、それを繰り返す無邪気なお話。ペンギンおんどを踊っているときにテーブルの上の置いてあるマヨネーズに気がついて、それがいつ物語中で意味を発揮するのか、ずっと気になってしまうのは、作者の術中にまんまと引っかかったということだろう。読み終わって扉絵を改めて見てみると、空き地にたどり着く前は、どうやら買い物に行っていたらしいと推測できる。表紙の左右と下部にあるさまざまなマークは、魔法のじゅたんみたいに、魔法のお話ですよという雰囲気を暗に伝えていたのかな。

 13:子だぬきタンタが、以前から乗ってみたかった救急車に、救急隊に化けて同乗し、現場を巡る話。軽い怪我なのに大げさに救急車を呼ぶ年配女性が登場するなど、少しスパイスも利かせてあるが、さすがにうまく助けられなかったエピソードは含まれない。身元不明のタンタが救急車に同乗していてもお咎めがないところが、絵本の優しい世界。

今日買った本

■今日買った本。計3053円。

 

a)マヤルカ古書店通販にて。

1・矢野浩三郎・監修『アンソロジー 恐怖と幻想 第1巻』月刊ペン社 ¥2250

2・なかむらあきこ『COVID-19後の社会とフェミニズムを考えるZINE vol.2』 ¥0

 

b)ヤフオクにて。

3・渡辺茂男・文、川原美木・絵『チムニイのさんぽ』トモ企画 ¥363

 

c)ブックオフ徳島沖浜店にて。

4,5・手塚治虫『ザ・クレーター 1,2』秋田文庫 各¥110

6・中川正文・作、山脇百合子・絵『ねずみのおいしゃさま』福音館書店 ¥110

7・パット・ハッチンス『なんにかわるかな?』ほるぷ出版 ¥110

 

***

 

 a),b)はそれぞれ6/4と6/8に届いたもの。c)の店舗は、待ちくたびれた同行者をなんとかなだめながらの買い物だった。

 1:第何刷だったかメモし忘れたが、函無しのハードカバー。後日、このシリーズの全3巻セットを入手したので、売却してしまったが、全3巻セットは初期の造本で函装だった。

 2:これが欲しくて何かついでにa)の通販サイトで買えるものがないかと探したくらい。一応不定期発行と表紙に書いてあるが、前号は2020.4発行で、今号は2020.5発行なので、大体月1回発行のペースになるのかな。今号は、料理レシピ紹介が1つになって、その分日記が増えている。日記が一番興味をもって読んでいるので嬉しい構成。自分自身日記をつけていないせいもあり、もう2020年4~5月の社会の空気感を思い出せなくなってしまっていることに愕然とするが、「自粛に向かう日々の日記」を読むと、刺激され思い出されることがあり。記憶も記録に助けられるということか。

 3:いぬのチムニイのえほんの2巻目に相当。ビーグル犬のチムニイは、散歩する時はまさかの二足歩行。三白眼で、目の周りが黒く縁取られているところはエジプトの壁画を思わせる。ステーキやフライドポテト、ショートケーキの花が咲く植物を散歩で見つけて、その後、たねやでそれらのたねを買って育てる話。

 4,5:1994年の新版ではなく1989年第12版のもの(1976年第1版と内容はたぶん変わらなそう)。1994年の新版になると収録作品数が増えているが、今回のものは各7篇収録。SF的な短篇漫画集。

 6:ねずみのいしゃが、大雪の日にりすの子どもの発熱の連絡を受けて往診に行くが、その日中に患者宅につかず、翌日着いた時にはもう熱は下がっていた。代わりにいしゃが熱を出した、という何とものんびりしたお話。現実には、もうこんなのんびりした医者はやっていけないだろうと思う(僻地医療では、こういうことまだあるかもなあ)。

 7:裏見返しに蔵書印。文字のない絵本で、よく見かけるのだが、今まで何となく購入をスルーしていた。同行者が欲しがったのもあって購入。絵本の中で木製人形が積み木を使って、冒険する話。最初から提示されている一セットの積み木を、足したり引いたりせず、きっちりと組み合わせて、画面を作っているのには感心する。創作に当たって、同じ積み木セットを作ったか、紙か何かで2次元の積み木を作って、試行錯誤を繰り返したのではないか。

今日買った本

■今日買った本。計3200円。

 

a)ひらすまshobo通販にて。

1・片岡輝・文、三輪滋・絵『どうして』ばるん舎 ¥2200

2・宮崎希沙/イーピャオ/小山ゆうじろう・企画『DONATION ZINE 最近の好物100人 2020・春』 ¥1000

 

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 a)で注文していた本が本日届いた。

 1:ぜひ揃えたいと思っているシリーズ・ちいさなつぶやきのうちの一冊。入手するのはこれが最初。両親が喧嘩の末、離婚するなかの、一人娘が主人公。やるせないが今の小中学校の児童・生徒の両親が揃っている率なんかを聞き知る感じでは、かなり身近なテーマと言えそう。私もすぐ泣く感受性の強い子どもだったから、両親が口喧嘩するだけで、悲しくてたまらず、何か家族の暗い未来を想像してはふさぎ込んでいた。

 2:a)に通販注文したのは、このZINEの取り扱いがあることを知ったから。最後の1冊だったみたい。1000部限定発行とのこと。新型コロナウイルスの流行で、打撃を受けている書店を応援する新しい試みで、店舗の応援とそういう試みの応援の両方の意味でも購入したかったもの。p.45の南陀楼綾繁氏の文章が最も印象的。

今日買った本

■今日買った本。計1960円。

 

a)某所にて。

1・安野光雅『はじめてであうすうがくの絵本 全3冊』福音館書店 ¥0

2・花之内雅吉・作/絵『あくびどうぶつえん』岩崎書店 ¥0

 

b)ヤフオクにて。

3・インゲル・サンドベルイ・作、ラッセ・サンドベルイ・絵、鈴木鉄郎訳『おばけのラーバン』ポプラ社 ¥1060

4・フィオナ・フレンチ・作/絵、かたおかひかる訳『ゆびぬきをさがして』らくだ出版 ¥890

 

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 ありがたいものにa)はいただいたもの。b)は5/24に届いたもの。

 1:行商用。

 2:これは図書館の除籍本だったようだ。判子の跡を削り取った痕跡がある。父娘で動物園に行くのだが、父がすぐ疲れてしまい、あくびをすると、動物園中にあくびが伝播する話。お父さんのくたくたさで始まり、娘をおんぶして帰るますますくたくたになったお父さんの絵で終わる。疲れているお父さんのイメージが何とも悲しいというか格好悪いというか。この作家の作品は、絶妙なヘタウマな絵が魅力で、それが入手しようかしまいかそのちょうど境目くらいの魅力なので、購入判断がいつも速やかにできないでいる。

 3:おばけのこどものラーバンは、自分がこわがり。何とか父のように立派に人間をこわらがせようとして失敗する。その時、お城の召使い人に、ラーバンの姿を見つけられてしまい、お城のみなに紹介されて、最後には仲良く暮らすという話。微笑ましい話に、可愛らしい絵で、相性抜群。全体に黄色を多く使った色の使い方や、コラージュのアクセントも好み。

 4:三人兄弟の兄と姉の顔や格好が大人びて見えるので、父母かと勘違いして読み進んでいた。一番下の男の子がゆびぬきを隠して、それを兄と姉に探させて遊ぶ話。ゆびぬきは絶妙なところに隠されていて、一旦読み終わった後、また最初から画面を見直してしまい、結果、大いに楽しませてもらえた作品。ブライアン・ワイルドスミスの作品などを出している、新・オックスフォードえほん全20巻のうちの1冊で、フィオナ・フレンチの本はシリーズ中これ1冊のみ。

今日買った本

■今日買った本。計3120円。

 

a)ヤフオクにて。

1・タチアーナ・アレクセーブナ・マブリナ・文/絵、宮川やすえ訳『おかしのくに』福音館書店 ¥300

2・ナンシー・ガーニー・作、エリック・ガーニー・絵、渡辺茂男訳『王さまとチーズとねずみ』ペンギン社 ¥200

3・サムイル・マルシャーク・うた、レーベジェフ・さし絵、北畑静子訳、小宮山量平・制作『ねずみのぼうや』理論社 ¥200

4・ささきあずさ、長新太・絵『コロスケのぼうけん』さ・え・ら書房 ¥240

5・セルジオ・カバグリオ・台本、トニー・ウルフ・絵、まえのみきお訳『ピエロ・ダミのかがくえほん いえをたてる』大日本絵画 ¥300

6・オトフリート=プロイスラー・作、ゲンナージー=スピーリン・絵、高橋洋子訳『ユニコーン伝説』偕成社 ¥250

 

b)1003通販にて。

7・大阿久佳乃『のどがかわいた』岬書店 ¥1630

8・なかむらあきこ『COVID-19後の社会とフェミニズムを考えるZINE vol.1』 ¥0

 

c)品品堂通販にて。

9・ベアトリス・シェンク・ド・レーニエ・文、ベニ・モントレソール・絵、渡辺茂男訳『ともだちつれてよろしいですか』童話館出版 ¥0

 

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 a)で落札した商品が本日届いた。b)もa)と前後して届いたもの。8が欲しかったのもあって、b)で注文した。c)はCDを買ったおまけで、絵本をいただいてしまった。

 1:ねこがこねこにビスケットを焼いてあげようとしていると、ペチカの中のビスケットが熱さのあまり飛び出してくる。その、さまざまな形に型抜きされたビスケットの登場人物たちが物語を繰り広げる。奥付ページの解説文を読んでいると、ソビエトの古いビスケット用の型押し板にあった柄(がら)を絵本に応用したようだ(もしかすると、実際にビスケットを焼いてそれを並べるなどしてこの絵本を作った?)。マブリナは民芸品に想を得て絵本を作る作家だそうで、本作もそういう文化的背景を十分に活用した絵本というわけだ。日本でも古いお菓子の型が古道具屋などでよく見かけるが、この型を使って同じように物語を作ってみれないだろうか。おんどりの鳴き声が「クーカーレークー」というのは、日本語のコケコッコーみたいにロシア語では典型的なおんどりの鳴き声の擬音語なのかな。調べてみたらやはりそのようだった。めうしのムームームー」も「モーモーモー」に、うまの「イゴー」は「ヒヒーン」に、相当するようだ。やぎの「メーメーケークス」だけは、よく分からなかった。

 2:王さまがチーズ好きなので、匂いを嗅ぎつけてねずみが集まり、ねずみを退治するのに猫が集められ、猫を退治するのに犬が集められ、といった風にエスカレートしていく話。アニメっぽい絵。チーズの本を集めているので、探していた本書が入手できて嬉しい。ペンギン社の「はじめてひとりでよむ本」というシリーズの1冊だけど、このシリーズは他にどんな作品がラインナップされているのだろう、と思って後日調べたら、既に知っている『あたまのうえにりんごがいくつ?』の他に、『ゆき、ゆき』(これだけはどこかで見かけたことがある)、『ハリーのだいかつやく』、『きょうりゅうくんとさんぽ』があることがわかった)。

 3:ソビエト絵本傑作シリーズ2。詩(うた)ものがたりを2篇収録。「ねずみのぼうやとこもりうた(原題はばかなこねずみ)」は、子ねずみと寝かしつけようとする母ねずみの話。いろんな動物にこもりうたを聞かせてやってくださいと頼んでうたってもらうが、子ねずみは反抗的でてんで眠らない。最後は悲劇で終わる。一方「ねずみのぼうやの大ぼうけん(原題はかしこいねずみ)」では、子ねずみは賢く、自身をさまざまな手口で狙う動物たちを華麗にかわしていって、無事家族の元に帰る話。はりねずみの絵で、あの『しずかなおはなし』のレーベジェフ(レーベデフ)だと思い出した。

 4:

 5:ピエロ・ダミについていろいろ調べてみたら次のことが分かった。ピエロ・ダミ(Piero Dami)、イタリア人男性で出版社Dami Editoreを1972年に設立した。この本については、プロデュースをした、ということ。娘のElisabetta Damiは有名な絵本作家。このピエロ・ダミのかがくえほんシリーズは全4冊で、箱入りだったようだ。オリジナルは1974年に出て、日本版は1979年出版。さて内容は、三人姉弟のお家を建て替える筋で、その脇道に生き物の家(すみか)や世界の人々の家についての小学生向けの科学的な知識などが紹介されるといった内容。三人姉弟の元の家は、セントラルヒーティングがなく、その代わりに石炭ストーブを家の中で使っているということで、みんな真っ黒になってしまうそう。そもそも電気がきていないので、明かりは石油ランプで、悪天候の日は家の中が真っ暗。水道もきていないので、「とおいところ」(屋外の井戸か?)からバケツで汲んでくるそう。ということで、新築の家を建てて一気に文化住宅となる。『化学の学校』を読んだ時の衝撃を思い出させる。

 6:

 7:

 8:日記、おすすめ本の紹介、簡単料理のレシピ紹介、から成るZINE。橋本治『たとえ世界が終わっても』集英社新書が紹介されている。このかたの書く日記は結構赤裸々で、そこが引き込まれる、読んでみたくなるところ。続巻がきっと出るはずなので、追いかけていく。

 9:日曜日から土曜日まで毎日王さまとお妃さまから食事のお誘いを受ける子ども。題名の通り、ともだちつれてよろしいですか、を繰り返して、いつも友だちの動物たちを連れて行く。最後の土曜日になってついに、逆に子どもが王さまとお妃さまを招待して、友だちたちが普段どこにいるのかが判明する。調子のいい本文が味わいどころ。

今日買った本

■今日買った本。計660円。

 

a)ushiwaka書店にて。

1・『コミックビーム 2020年5月号』KADOKAWA ¥660

 

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 雑誌しか扱いのない書店であるa)で、初めて漫画雑誌を購入。今回は取り寄せてもらった。

 1:読み切りで、ひうち棚「夏休み」が掲載されている号。氏の作品は、最大でA5のサイズでしか読んだことがなかったので、今回それを超えるB4サイズで読めて迫力があった。労力かけてるなあという手書きの全景の見応えのあること。子どもの反応が如何にもありそうな感じで、共感できた。